裸婦
Nude
パブロ・ピカソ
作品解説
「裸婦」はピカソがその当時の恋人、フェルナンド・オリヴィエをモデルに描いた作品で、約20点制作した油彩画「フェルナンド・シリーズ」の中でも数少ない全身像です。女性の身体と背景の山と空という、画面を構成する要素のすべてを小さなひし型や山型の面に分解して、画面全体を鉱物の結晶体のように見せています。フェルナンドはピカソにとって恋が続いた最初の女性で、フェルナンドとの出会いによってピカソの「青の時代」は幕を閉じ、以後は優雅で官能的な「ばら色の時代」と呼ばれる作風を描くようになります。この作品を描いたオルタの雄大な自然は、ピカソがキュビズムを確立するうえで大きなインスピレーションを得たと考えられ、まさにキュビズムの黎明期を感じさせる作品です。
制作年
1909年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
オルタ・デ・エブロ(スペイン)