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上村松園

作品解説
『焔(ほのお)』は1918年に上村松園によって製作された作品です。源氏物語の主人公・光源氏の愛人であった六条御息所が、正妻の葵上に嫉妬して生霊となった姿を描いており、女の怨念が強く感じられます。それまで美しい美人画を描き続けてきた松園が初めてこのような負のオーラに満ちた作品を描き、これにより松園の画家としての評価は高まったのでした。40代に入って年下の男性に大失恋していた松園はスランプに陥っていました。スランプからどうにも切り抜けられない苦しみを作品に表現したとのちに語っていますが、この後松園3年間作品を発表することはありませんでした。他の凛とした女性たちを描いた作品の中に並ぶ『焔』はひときわ目を惹く作品です。
制作年
1918年
素材/技法
絹本着色
制作場所
京都
所蔵美術館