春のよそをひ

上村松園

作品解説
『春のよそをひ』は1936年の上村松園の作品です。身支度する女性の袖口からのぞく赤い襦袢の桜模様、桜の簪から「春」が感じられる作品となっています。女性が簪に手をやるポーズは、喜多川歌麿などの浮世絵美人画の影響を思わせます。上村松園は当時の急激な西洋化が進む日本と美術界に懸念を示し、このような古き良き古典的な日本画を描き続けました。清らかで美しく優雅に描かれる女性は松園の繊細な筆遣いと表現力の高さが生み出す賜物です。
制作年
1936年
素材/技法
不明
制作場所
京都
所蔵美術館