楊貴妃

Yang Guifei

上村松園

作品解説
1922年の作品『楊貴妃』は絶世の美女が、湯あみを終えたばかりの一場面です。上村松園の4年間続いたスランプの末、再び描くきっかけとなったのがこの作品だと言います。源氏物語の主人公・光源氏の愛人であった六条御息所が、正妻の葵上に嫉妬して生霊となった姿を描いた『焔』を描いた頃は松園はスランプに陥り、しばらくの間作品を発表をすることがありませんでしたが、その後はこのように『焔』とは対照的な、唐美人図風の作品を描き、自身の作域を広げていきました。新しい華やかな女性を描いた作品が登場し、スランプからの脱出となったと言えます。
制作年
1922年
素材/技法
絹本彩色
制作場所
京都
所蔵美術館