ナルシスの庭
Narcissus Garden
草間彌生
作品解説
「ナルシスの庭」は草間彌生の代表的なインスタレーションのひとつです。インスタレーションとは、室内や屋外などにオブジェや装置を置いて空間を構成し変化させ、その場所や空間全体を作品として体験させる芸術手法のこと。草間はしばしばこの手法を使って作品を制作しています。「ナルシスの庭」が初めて発表されたのは、1966年、第33回ヴェネチア・ビエンナーレでのこと。草間は招待作家としてではなくゲリラ的にビエンナーレの会場に作品を展開しました。プラスチック製のミラーボール1500個をパビリオン外の芝生に敷き詰め、黄金色の着物姿で芝生の上に素足で立ち、「Your Narcissism for Sale」(あなたのナルシズムを販売します)という看板とともに1個1200リラでミラーボールを通行人に販売するというものです。販売行為はただちに当局に阻止されることとなりましたが、この作品は芸術の商業化や虚栄心のカルチャーへの挑発的な批評と評され、メディアを通じてヨーロッパに草間の名前を知らしめる結果となりました。近年では、2001年の横浜トリエンナーレや2018年のMoMAにおけるアートフェスティバル「Rockaway!」で披露されています。
制作年
1966年初公開
素材/技法
インスタレーション