泣く女

Weeping Woman

パブロ・ピカソ

作品解説
「泣く女」はゲルニカと同じ年に描かれた作品で、ピカソの当時の愛人だったドラ・マールをモデルにして描かれています。「泣く女」をモチーフにした作品は100種類以上のバリエーションがあると言われ、ゲルニカの画面左側に描かれている「死んだ子供を抱きかかえて泣く母親」も「泣く女」のモチーフのひとつです。モデルのドラ・マールは写真家で、詩人のポール・エニュアールの友人でもあり、ピカソに大きな知的刺激を与えたと言われています。ドラは気まぐれでふさぎ込むことも多く、その当時、ピカソにはドラのほかにもマリー・テレーズという愛人がいましたが、マリーとドラはお互いに激しく憎み合っていました。様々な「泣く女」はどれもドラの嘆く姿を表現したもので、ピカソがドラの感受性に大きな影響を受けたことが分かります。
制作年
1937年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
フランス・パリ
所蔵美術館
ジャンル