牛乳を注ぐ女

The Milkmaid

ヨハネス・フェルメール

作品解説
『牛乳を注ぐ女』は、低級の家事使用人であり、台所担当の召使い(キッチンメイド)あるいは家政の女中(メイド)を描いた絵です。若く、どっしりとしたメイドが、肘までまくりあげた袖で牛乳を陶器の容器に入れ直しています。背景の壁と床との接地面に埋め込まれているのは、デルフト陶器。また、メイドの足元には四角い足温器が置かれています。『牛乳を注ぐ女』には、女性とテーブルの重量感を表現するために錯視技法が使用されています。窓から差し込む明るい光は、けれどもパンの粗い表面や、女性の太く平らな胴まわりには、何の影響も与えていないのです。また、女性の視線は下を向いているため、そこにあるのが働く喜びなのか、あるいは悲哀なのか、あなたはどう思いますか?
制作年
1657年ごろ
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
デルフト
ジャンル