ウィトルウィウス的人体図

Vitruvian Man

レオナルド・ダ・ヴィンチ

作品解説
この作品は、古代ローマ時代の建築家ウィトルウィウスの『建築論』の記述をもとに描いた素描です。両手脚が異なる位置で男性の裸体が重ねられ、外周に描かれた真円と正方形とに男性の手脚が内接しています。「ウィトルウィウス的人体図」の他にも、「プロポーションの法則 (Canon of Proportions)」あるいは「人体の調和 (Proportions of Man)」と呼ばれることがあります。ダ・ヴィンチ以外にもウィトルウィウスの記述を作品にした画家はいますが、ダ・ヴィンチのものがもっともよく知られています。この素描はルネサンス期の芸術と科学との融和を示しています。またレオナルドが人体比率に強い関心を持っていたことを表してもいるでしょう。ダ・ヴィンチは自身の解剖学の知識をもとに人体図を構想し、『ウィトルウィウス的人体図』を手がけました。彼の手稿には鏡文字で「ウィトルウィウスの著作に従って描いた男性人体図の習作である。ウィトルウィウスが提唱した理論を表現した」と書かれています。
制作年
1487年ごろ
素材/技法
紙にペンとインク
制作場所
ミラノ
所蔵美術館
    アカデミア美術館