岩窟の聖母

Virgin of the Rocks

レオナルド・ダ・ヴィンチ

作品解説
この作品には、ほぼ同じ構図、構成で描かれた2点の作品があり、最初に描かれたといわれるヴァージョンはパリのルーヴル美術館に、後に描かれたといわれるヴァージョンはロンドンのナショナル・ギャラリーに所蔵されています。両方とも高さが2mもある大作品で、板に油彩で描かれました。ルーブルのものはのちにキャンパスに移植されています。どちらの絵にも、聖母マリアと幼児キリスト、幼い洗礼者ヨハネが、岩窟を背景に描かれています。色使いや明るさ、植物、スフマートと呼ばれるぼかし技法の使い方など、細かい違いは多いですが、もっとも大きな違いは、画面右の天使の視線と右手の向きです。ロンドンのものは、当初、ダ・ヴィンチの手によるものかどうか、議論がありましたが、修復中の研究の結果、真作として発表されました。
制作年
1483年から1486年
素材/技法
板に油彩
制作場所
ミラノ
所蔵美術館
    ルーブル美術館