謝肉祭と四旬節の喧嘩
The Fight between Carnival and Lent
ピーテル・ブリューゲル
作品解説
『謝肉祭と四旬節の喧嘩』は風刺的寓意画として知られます。四旬節とは、イエスの死の復活を記念する「復活祭」前の40日間に食事などを制限する自粛期間です。謝肉祭は、四旬節に入る前に自粛事項との告別を行うお祝いです。酒樽にまたがり、串焼きの豚を持っている男性が謝肉祭を表しています。一方篭をかぶり、ニシンをのせたパン焼用の長い柄を持っている男性が四旬節の象徴です。こういった対峙を描くことでーテル・ブリューゲルは謝肉祭と四旬節の存在の矛盾や人間の愚かさを皮肉っているのです。またこれは描かれた当時の時代背景から、混迷にあったカトリックを四旬説、カトリックを謝肉祭とし宗教対立を暗に描いていたとも考えられています。
制作年
1559年
素材/技法
油彩パネル画
制作場所
ベルギー