キリストの変容
Transfiguration of Jesus
ラファエロ・サンティ
作品解説
ナルポンヌ大聖堂の祭壇に掲げるために、ナルポンヌ司教で枢機卿のジュリオ・デ・メディチより依頼され、制作された祭壇画が『キリストの変容』です。とはいえ、完成後に置かれたのは、ローマのサン・ピエトロ・イン・モントリオ聖堂でした。『キリストの変容』はキリストが天の声を聞いて自分が神だと示す場面です。この作品は、上下二部構成になっていて、上部は天の声を聞くキリスト、下部は悪魔に取り憑かれた少年を治療する場面が描かれています。そして、下部の人たちがキリストを指すことによって、上下が結びつく構成になっています。本作を製作後、ラファエロは亡くなってしまいました。つまり遺作というわけですね。下部は、当初、弟子であったジュリオ・ロマーノの手により補完されたと考えられてきましたが、修復が行われた際、ラファエロのみの作品だったことがわかりました。
制作年
1518から1520年
素材/技法
板に油彩
制作場所
ローマ