カニジャーニの聖家族
Sacra Famiglia Canigiani
ラファエロ・サンティ
作品解説
『カニジャーニの聖家族』は聖母子と、聖母の母である聖アンナ、父聖ヨアヒム、洗礼者聖ヨハネを描いた聖家族を描いたものです。この名称は、もともとフィレンツェの一族に由来していたのですが、その後メディチ家のものとなり、ドイツへと運ばれてきました。このような聖家族は、≪聖会話≫とも呼ばれ、聖母は大地に腰を下ろして謙譲の意を表しています。また本作は、ラファエロとしても鮮やかな色調で、構図的なバランスなど、後のアカデミズムに大きな影響を与えました。聖アンナの上部の街並みの表現などは、その微妙な色の変化と透明感のある空気感から、北方絵画の影響を受けていると言われています。洗礼者聖ヨハネとキリストは両者とも幼子として描かれながらも、互いの関係や信頼性、キリストの正当性を、三角形に配されるの大人(聖母マリア、聖アンナ、聖ヨアヒム)の中心に表現ししています。
制作年
1507年
素材/技法
板に油彩
制作場所
フィレンツェ