ケレスとバッコスがいないとヴィーナスは凍えてしまう
Sine cerere et baccho friget venus
ピーテル・パウル・ルーベンス
作品解説
『ケレスとバッコスがいないとヴィーナスは凍えてしまう』はルーベンスを代表する寓意的神話画で1612年頃から1615年頃に描かれました。ここで題材になっているのは、古代ローマの吟遊詩人テレンティウスの有名な一節です。美食を意味する豊穣の神ケレス、酒神バッコスがいなくなってしまえば愛を司る女神ヴィーナスと息子キューピッドでさえその愛も冷めてしまう、という一節を絵画に優美に表しています。ピーテル・パウル・ルーベンスはヴェネツィアでティツィアーノから画面構図の表現を十分に学び、またローマでミケランジェロからは肉体表現を学びました。その両方の影響が顕著に見られる作品になっています。
制作年
1612-1615年頃
素材/技法
油彩、キャンバス
制作場所
アントワープ