ヴィーナスの饗宴
The Feast of Venus Verticordia
ピーテル・パウル・ルーベンス
作品解説
『ヴィーナスの饗宴』は1630年代後半にピーテル・パウル・ルーベンスによって描かれた作品で、題材はニンフが建てたヴィーナス像の周りで戯れるキューピッドを描いた作品です。豊かで愛と豊穣に満ちた晩年期のルーベンスの作風がよくわかる作品で、毎年4月におこなわれるローマの祭事『ウェヌス・ウェルティコルディア祭』の描写もあります。妻、花嫁、娼婦が、中央のヴィーナス像を清める女性、像の前で香を焚く女性、人形を捧げる女性、鏡を捧げようとする女性として描かれています。53歳だったルーベンスは1630年に16歳のエレーヌ・フールマンと再婚しており、モデルはエレーヌと考えられています。晩年の作品の女性像はこのようにふくよかで幸せに満ちた雰囲気の作風へ変化しています。
制作年
1630年代後半
素材/技法
油彩、キャンバス
制作場所
アントワープ