十字架の聖ヨハネのキリスト
Christ of Saint John of the Cross
サルバドール・ダリ
作品解説
"「十字架の聖ヨハネのキリスト」は、タイトルの通り16世紀のスペインのカトリック司祭でもあり神秘主義者である十字架のヨハネ(本名:フアン・デ・イエペス)が描いたローイングにインスピレーションを得たダリが1951年に描いた作品です。多くの画家がイエス・キリストを描いた作品では、一般的に手を釘で打ち付けられており、血を流し、頭にはいばらの冠をかぶっていますが、ダリが描くイエス・キリストにはその要素がありません。またこの作品では、イエスを見上げるのではなく、船や漁師がいる湖の上空に浮遊しているように十字架に磔にされたイエス・キリストを上から見下ろす構図になっており、キリストの腕と体で表された逆三角形で三位一体を、頭部で表された円形でプラトニックな思考を表現しています。この円形で表現されているプラトニックな思考というのは、「すべての事象は3で存在するのではなく、円を含めて4である」という思考で、統一性を表しています。イエス・キリストを描いた画家は多く、ダリが描いたイエス・キリストには批判もありますが、良くも悪くも不朽の名作として知られています。|"
制作年
1951年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
不明