富士越龍図
Dragon flying over Mount Fuji
葛飾北斎
作品解説
「富士越龍図」は北斎が死の3ヶ月ほど前に描いた肉筆画で、これが北斎最後の作品か、あるいはそれに極めて近いものと考えられます。全体が墨絵の筆づかいで描かれており、富士の三角の形を前方に投影した北斎らしい構図で、富士の背後には黒雲が立ち上り、その中に小さく龍が描かれています。最期の作品ということもあり、この龍は北斎が自分の姿を見立てたものだとする説が有力で、死を悟った北斎が富士の高嶺を目指してまさに昇天しているかのようです。
制作年
1849年
素材/技法
絹本着色
制作場所
不明