或る日の太平洋

A Day in the Pacific Ocean

横山大観

作品解説
或る日の太平洋(あるひのたいへいよう)は1951年のサンフランシスコ講和条約調印に発想して制作された大観晩年の代表作で、主権を取り戻そうとしている日本、戦いに敗れた日本、これからの日本、など様々な思いの中で描かれた独特の世界観が胸を打ちます。そして、時代が大きく変わろうとしている状況においても、自らの姿勢を曲げず、信念を貫き通した強さもこの作品から感じ取ることができます。画面では、高波と稲妻が手前で激しく重なり、波の間には龍の姿が不気味な存在感を出していますが、どのような状況でも動じることのない後ろの富士山に大観の思いが集約されているように感じられます。
制作年
1952年
素材/技法
彩色紙本
制作場所
東京
ジャンル