アレ夕立に

不明

竹内栖鳳

作品解説
青い着物の女性が、突然の夕立に驚き、扇で顔を隠して「アレ」と一言口にする場面を表したのが、この「アレ夕立に」。なかなか妖艶な様子だと思いませんか。発表と同時に超話題作になったというのもうなづけますね。また、うなじの毛に見られる精緻な描き込みと、着物や帯の模様の荒っぽい筆致の差も面白い観察点です。栖鳳は写実に長けた画家として知られていますが、あえてのこんなに荒い筆使いもできるんですね。その分、精緻な筆致が目立つのです。大きく取られた頭上の余白は、描かれていない夕立を予想させますね。これが「アレ」という言葉に響いてきます。
制作年
1909年
素材/技法
絹本着色
制作場所
京都
所蔵美術館
    高島屋史料館
ジャンル