孔雀鳳凰図
伊藤若冲
作品解説
「孔雀鳳凰図」は2016年1月、83年ぶりに再発見されて話題となった若冲の幻の名品です。1926年11月刊行の美術雑誌「國華」432号にモノクロ写真で紹介され、1933年に重要美術品に認定されて以来、長く所在不明となっていました。「國華」掲載当時は広島藩主浅野家12代当主・浅野長勲侯爵の所蔵であり、現在は岡田美術館が所蔵するところとなっています。代表作「動植綵絵」の制作が始まった1757年頃より前の作品と考えられ、若冲の画業では早い時期の作に当たります。初々しさも感じられる素直な表現と、細部までほどこされた緻密な描写が素晴らしい、若冲の傑作のひとつと言えるでしょう。初期の作品と「動植綵絵」の間を繋ぎ、若冲の成長過程をうかがい知ることのできる作品として、貴重な存在です。
制作年
江戸時代中期 18世紀中頃
素材/技法
絹本着色 二幅
制作場所
日本