鶴図屏風

伊藤若冲

作品解説
対象物を極端に簡略化し、まるでデザイン画か漫画のように描いた作品が、この「鶴図屏風」です。省略した線でさらさらと流すように表現したこの鶴、楕円形につるりと描いた背中にすらりと伸びる首、ちょんと付け足した小さな顔に細い足。濃淡ある墨一色で簡単に表した線描なのに、細密に描き込んだ彩画よりも鶴らしさを感じられる絵です。簡素な要素で対象物の本質をさらりと描き出す。それが若冲の観察眼の凄さであり、細密な写実描写の向こうにある真骨頂なのかもしれません。少しコミカルで見ていると気持ちが緩むような味わいもまた、この絵の、そして若冲作品の魅力です。
制作年
不明
素材/技法
不明
制作場所
日本
所蔵美術館
    プライス・コレクション
ジャンル