波図屏風
Rough Waves
尾形光琳
作品解説
『波図屏風』は2曲1隻からなる図屏風で、尾形光琳が18世紀に描いたとされています。光琳の作品には制作年代を確定できるものは少ないですが、彼が30歳代前半に光琳と改名し44歳に絵師に与えられる法橋の位を得ており、さらに多くの作品に「法橋光琳」の落款が見られることから44歳以後、59歳で没するまでの十数年間に描かれた作品がほとんどです。この『波図屏風』は他の作品のような都会的で装飾的な雰囲気はありません。しかし波のうねりがダイナミックに表現され、まるで龍の爪のようです。江戸下向時代は雪村の絵に感銘を受けたらしく、模写した作品が何点か残っており、この作品もまた雪村の影響を強く受けた作品です。現在はメトロポリタン美術館に所蔵されています。
制作年
18世紀
素材/技法
紙本着色
制作場所
日本