雲龍図屏風
Dragons and Clouds
俵屋宗達
作品解説
『雲龍図屏風』は六曲一双からなる屏風図です。「法橋宗達」の落款と「対青」の印章が捺されています。宗達筆作品と認められる数少ない真筆のひとつです。「法橋」とは日本において僧侶に対し与えられた位階のことで、朝廷が絵師である俵屋宗達にこの位を与えたのは異例のことでした。俵屋宗達は水墨画の製作において、生乾きの水墨にさらに濃淡の異なる墨を含ませてわざと墨をにじませる「たらしこみ」の技法を利用しました。『雲龍図屏風』も雲が「たらしこみ」の技法で描かれ、明暗のコントラストが際立っています。この作品はフリーア美術館が所有しています。水墨画の作例の中でも最も優れたものの一つとされています。
制作年
17世紀
素材/技法
紙本墨画
制作場所
日本