松林図屏風
Pine Trees
長谷川等伯
作品解説
等伯の代表作であり、近世水墨画の最高傑作とされる作品です。樹木の描き方には、等伯が私淑した南総時代の画僧・牧谿の影響が見られますが、模倣の域を超えて完全に自身の画風に取り込んでいます。荒々しく力強い松を描くのに、等伯は藁で作った筆や、使った後洗わずに固くなった筆を用いたともいわれています。画面全体には霧が立ちこめ、松林の向こうにはかすかに山の頂が見えています。荒々しい松を描きながらも静まり返った光景は、禅の境地とも、わびの境地ともいえる世界となっています。
制作年
16世紀
素材/技法
紙本墨画 六曲一双
制作場所
日本