白狐図

White Fox

円山応挙

作品解説
『白狐図』は1779年の円山応挙の作品です。円山応挙の作品の魅力はその写実性で、円山応挙は絵画やスケッチではなく、自然界から直接絵を描き徹底的に観察していたといいます。またこの作品は、白狐が下地の白を生かした塗り残しで描かれているということも注目すべきポイントの一つです。周りの淡墨を塗り残すことで表現されており、この手法は円山応挙の得意とするものでした。墨の濃淡の差で表現されたふわふわとした毛並みと白狐の目つき、大胆に画面の上半分を空白にした構図が、この絵にある種の神秘性を持たせています。円山派の祖と呼ばれ、写生主義を唱えて江戸後期の画風に変革をもたらした京都の画家の画力の素晴らしさが感じられます。
制作年
1779年
素材/技法
絹本墨画淡彩
制作場所
日本
所蔵美術館
    個人蔵
ジャンル