荒れ野で見る夢

A dream in the desert

船越桂

作品解説
『荒れ野で見る夢』は舟越桂の2013年の作品です。人間の首から上だけが木彫りで作られ、首の下には木材の土台が置かれ、その下にはまるでくらげのように筒状の木の彫刻が取り付けられています。一見不気味な作品ですが、その人間の表情は冷たく憂いを帯びています。それまで上半身のみ制作し、特に頭部に集約されてきた自身の表現を別の形で表現するようになった2000年代の舟越桂の作品には独特の世界観があり、彼の芸術が円熟期にあるといえます。物心ついたときから西洋美術や石膏像などを見て育ち自分も彫刻家になるのだろうと考えていたという彼は、ミケランジェロや運慶、さらにはエジプト彫刻にも注目し、自分の作品に落とし込んでいます。
制作年
2013年
素材/技法
楠に彩色、大理石
制作場所
日本
所蔵美術館
    個人蔵
ジャンル