山と水の間に

Between mountains and water

船越桂

作品解説
『山と水の間に』は舟越桂の1998年の作品です。片方の肩からだけ尖った角のようなものが出ています。舟越桂は1980年頃から楠を素材に半身像を制作し、ベネチア・ビエンナーレやドクメンタなど世界最大規模の国際美術展で1990年前後から注目されていますが、1990年代からはこのような胴体部分に特徴を持つ作品が多く見られるようになりました。しかし木彫りの像の持つ表情の素朴さと憂いは相変わらずで、作品の一貫性が感じられます。それは大理石で作られた目が醸し出す雰囲気であり、木彫りという質感が生み出す温かみでもあります。「そばにいて生きている感じ」「目の前にいて両肩をばっと抱ける距離感」を追求し、このような彼の変わらぬスタイルが確立されたと言います。
制作年
1998年
素材/技法
楠に彩色、大理石
制作場所
日本
所蔵美術館
    個人蔵
ジャンル