かたい布はときどき話す
Hard cloth speaks from time to time
船越桂
作品解説
『かたい布はときどき話す』は舟越桂の1988年の作品です。楠を素材とした具象的な人物像によって高い評価を得てきた舟越桂は、彩色された木彫に大理石の目をはめ込んだスタイルが有名です。この『かたい布はときどき話す』もそんな彼の初期の作品で、その表情は憂いを帯びています。木彫りという質感が生み出す温かみに対し、舟越が彫る繊細でメランコリックな人間の表情は魅力的で美しささえ感じられます。「そばにいて生きている感じ」「目の前にいて両肩をばっと抱ける距離感」を追求し、現在の彼の変わらぬスタイルが確立されたと言います。
制作年
1988年
素材/技法
楠に彩色、大理石
制作場所
日本