ワークショップ
workshop
ワークショップとは英語で「仕事場」「工房」「作業場」という意味。最近では問題解決やトレーニングの手法、学びと創造の手法としてこの言葉が使われる事が多く、美術・演劇・映画などの芸術分野から学校教育、企業研修、住民参加のまちづくりなどあらゆる領域でワークショップが行われています。講師の話を参加者が一方的に聞くのではなく、参加者自身が討論に加わったり体を使って体験したりするなど、参加体験型、双方向性の学習が特徴です。1960年代以降、特に演劇において盛んに取り入れられるようになり、ワークショップから発展して実際の上演に至ることも多いです。劇団青年団を主宰する劇作家で演出家の平田オリザは、90年代以降、日本各地で演技メソッドを体験型で教えるワークショップを数多く開催してきました。日本の美術館では1970年代後半から、アーティストや学芸員と一緒に子供たちが創作を体験する試みとして広がり始めました。90年代には美術館の教育普及活動の一環として盛んになり、さらに2002年度からは、小中学校での「総合学習」の導入により「図画工作」の時間数が切りつめられた代わりとして、積極的に地域の美術館で採用されるようになりました。「絵画教室」といった創作体験だけでなく、子供たちに展覧会を企画させるなど多様に展開できるところが魅力ですが、現状日本では、欧米のように普及学芸員やエデュケーターと呼ばれる専門学芸員を置く美術館は多くありません。美術館の地域に根差した活動の一環として発展させるためにも、今後の十分な環境整備が求められます。