池田学
Manabu Ikeda1973年-
彼の作品の特徴は綿密画を超絶技巧的に描き出すところにあります。様々な色のカラーインクとペンを用いてキャンバスに描くというシンプルな手法ですが、巧みな色使いと細密な筆遣いで誰にも表現できない独特の世界観を作り出しています。
初めて日本をテーマに描いた「興亡史」は2006年に発表され、趣味のロッククライミングから着想を得たといいます。
その全体像は圧巻の一言で、ダイナミックな表現に画家の想像力の豊かさを感じさせます。
一方でよく見ると城や壁桜、人々の姿などが縦横無尽に積み重なっており、隅々まで見渡すのにはかなりの時間を要するほどです。
部分を積み重ねることで、大きな空気を表現するようにしているといいます。
この作品だけにとどまらず、池田の作品には何度見ても新しい発見があるような楽しさがあります。
2011年からは文化庁芸術家在外研修員としてバンクーバーに滞在しており、今後も世界各国で活躍の場を広げていくことは間違いありません。
1973年 佐賀県多久市に生まれる。
1998年 東京藝術大学美術学部卒業制作デザイン賞、平山郁夫奨学金賞(東京藝術大学)受賞。
1998年 東京芸術大学美術学部デザイン科卒業。
2000年 東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻修了。
2001年 「第4回はままつ全国絵画公募展」大賞、佐賀銀行文化財団新人賞受賞。
2011年 文化庁芸術家在外研修員としてカナダ・バンクーバー滞在。
2013年 アメリカ・ウィスコンシン州マディソン、チェゼン美術館にて滞在制作。
2014年 第25回タカシマヤ文化基金美術賞受賞。
2017年 「池田学展 The Pen ―凝縮の宇宙―」佐賀県立美術館、金沢21世紀美術館、日本橋高島屋、東京を巡回。