隈研吾

Kengo Kuma        
1954年-
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国籍
日本
 
アーティスト解説
隈研吾は、土地の環境、文化に溶け込む建築を目指し、ヒューマンスケールのやさしく柔らかなデザインを提案する、国際的な建築家です。これまで20か国を越える国々で設計を行い、環境にしなやかに対応するデザインを進めてきました。1980年代の隈の仕事を特徴づけるのは、過去の建築を引用して再構築する、ポスト・モダン的な方向性でした。商業ビルM2はこうした手法の到達点であり、巨大なイオニア式の円柱、ガラスの箱、ロシア・アバンギャルドなど古典主義からモダニズムまで様々な建築の要素を散りばめました。要素のコラージュにより、建築作品に建築作家性が色濃く浮かび上がることを打消す試みです。また、フランク・ゲーリーやザハ・ハディドなどが展開した、近代建築の枠組みから脱却し形態を故意に破壊させたデザイン、ディコンストラクティビズムに寄った傾向の作品も手掛けています。1990年代以降はポスト・モダン的な表現と決別し、正反対の印象を与えるミニマルなデザインを追求。環境から突出するオブジェクト型の建築を批判して「反オブジェクト」の概念を掲げ、環境に溶け込む建築に向かいました。デザイン手法としては、ルーバー(日よけ)の多用と素材の実験的な使い方が特徴的です。「那珂川町馬頭広重美術館」では、細い杉のルーバーで屋根も壁も構成します。「石の美術館」では、石を薄く切ったり多孔質な石の壁をデザインしたりすることで、石を軽い素材として扱います。北京の「GREAT(BAMBOO)WALL」では、粗い竹のルーバーで構成し、弱い素材を積極的に用います。最新作「住箱」はベニヤ合板によるモバイルハウス。学生時代のサハラ砂漠横断を原点に、移動という新しいライフスタイルを提案し、自然を感じて人間らしさを取り戻そうと問題提起する、意欲的でポジティブなプロジェクトです。
経歴

    1954年 横浜市に生まれる。

    1979年 東京大学大学院工学部建築学科修了。

    1985年 コロンビア大学建築・都市計画学科客員研究員/Asian Cultural Council給費研究員を務める。

    1987年 空間研究所設立。

    1990年 隈研吾建築都市設計事務所設立。

    1994年 コロンビア大学大学院建築・都市計画学科講師を務める。

    1995年 「亀老山展望台」でJCDデザイン賞(`95文化・公共施設部門)最優秀賞受賞。

    1997年 「森舞台/登米町伝統芸能伝承館」で日本建築学会賞受賞。「水/ガラス」でAIA(アメリカ建築家協会)ベネディクタス賞受賞。

    1998年 慶應義塾大学環境情報学部特別招聘教授に就任。

    2000年 「那珂川町馬頭広重美術館」で林野庁長官賞、「石の美術館」で栃木県マロニエ建築賞、東北建築賞作品賞受賞。

    2001年 慶應義塾大学理工学部教授に就任。「那珂川町馬頭広重美術館」で村野藤吾賞、建築業協会賞、「石の美術館」でインターナショナル・ストーン・アーキテクチャー・アワード(イタリア)受賞。

    2002年 スピリット・オブ・ネイチャー国際木の建築賞受賞。

    2007年 イリノイ大学客員教授に就任。

    2008年 KUMA & ASSOCIATES EUROPE設立。エネルギー・パフォーマンスアーキテクチャー・アワード、Bois Magazine国際木の建築賞受賞。

    2009年 東京大学教授に就任。芸術文化勲章オフィシエ受章。

    2010年  「根津美術館」で毎日芸術賞、BCS賞、「梼原木橋ミュージアム」で芸術選奨文部科学大臣賞(美術部門) 受賞。

    2012年 第6回ASIAGRAPHアワード匠賞、情報文化学会賞大賞受賞。「アオーレ長岡」でグッドデザイン賞、第25回日経ニューオフィス賞/地域ブロック別ニューオフィス奨励賞、JABMEE環境設備優秀賞、BCS賞受賞。

    2013年年 「アオーレ長岡」でバリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者に選出、内閣府特命担当大臣奨励賞受賞。

    2014年年 「アオーレ長岡」で日本建築学会賞(業績)、第15回日本免震構造協会賞作品賞受賞。

    2016年 「アオーレ長岡」で第15回公共建築賞行政部門2016 受賞。「持続可能な建築」世界賞2016受賞。

    2017年 「住箱」でグッドデザイン賞受賞。