ジョブ

Poster for 'Job' cigarette pape

アルフォンス・ミュシャ

作品解説
「ジョブ」は1896年に制作された、煙草の巻紙「ジョブ」の宣伝用のポスター作品です。ポスターの最高傑作と称えられる見事なデザインにミュシャの傑出した才能が溢れています。ミュシャが広告のメインビジュアルとした選んだのは、ジョブで巻いた煙草を吸い陶然とした表情を浮かべる美女の姿。そしてその強調されたロングヘアです。商品名である「JOB」の文字は女性の頭で隠れていますが、動きと安定感、ボリュームと色彩のコントラストなど完璧に計算された構成に導かれ、女性の図柄の強い印象とともに、JOBの名前が見る人の心に記憶されます。様式化された豊かな女性の髪の毛は、ミュシャの描く女性の象徴的なイメージともなりました。蔦のように渦巻き流れ下る豊かな髪の毛は金彩で描かれており、当時のパリの人たちに強い印象を与えると同時に、金蒔絵や金屏風のエキゾチックな日本のイメージを想起させたことでしょう。初めは特定の商品の宣伝ポスターでしたが、ポスター自体が販売用として印刷されるほどの人気となり、様々なバリエーションと膨大な枚数が刷られることとなりました。
制作年
1896年
素材/技法
リトグラフ
制作場所
フランス
所蔵美術館
    ミュシャ美術館