夢想

Reverie

アルフォンス・ミュシャ

作品解説
この作品は「黄道十二宮」と同じくシャンプノワ印刷所のノベルティカレンダーとして制作されたものでしたが、すぐに人気を博し、「ラ・プリュム」誌によって「夢想」というタイトルの装飾パネルとして販売されることとなりました。自社のポスターにこの絵を利用した企業もあり、デザインの少しずつ異なる7つのバリエーションが存在します。この作品の人気のほどがうかがえます。画面中央に座った女性が夢見るような眼差しをこちらに投げかけます。女性の膝の上の画集のようなものは、もともとがシャンプノワ印刷所の宣伝を兼ねたカレンダーであったことから、おそらく印刷の見本帳であろうと言われています。上品で優雅な美しい女性、アール・ヌーヴォー調の曲線と花の装飾、祖国ボヘミアを想起させる装飾やビザンティン風のアクセサリーなど、典型的な「ミュシャ様式」の作品と言え、現在でもポスターとして印刷されるなど、世界中で愛されている装飾パネルです。
制作年
1898年
素材/技法
リトグラフ
制作場所
フランス
所蔵美術館
    ミュシャ美術館