連作「四つの宝石」

The Precious Stones (series)

アルフォンス・ミュシャ

作品解説
トパーズ、ルビー、アメジスト、エメラルドの宝石をテーマとした、4点で1セットの装飾パネルシリーズのひとつです。面白いのは、「宝石」というタイトルでありながら宝石そのものの姿を描くのではなく、花や色彩、女性のポーズによってそれぞれの宝石の特性を表現しているところです。「ルビー」以外の女性は、手に宝石を持っているという訳でもありません。したがってどのパネルがどの宝石に相当するかは厳密には判断しづらいのですが、人物の下に添えられた花や植物の色から、アメジストの紫やエメラルドの緑だったりと考えられるのです。この頃のミュシャは有名な宝飾ブランドのフーケと一緒に仕事をしており、彼の本店のニューオープンのためにトータルデザインも担当しました。この「宝石」シリーズも、こうした仕事の流れの中から生まれてきたものなのでしょう。
制作年
1900年
素材/技法
カラーリトグラフ
制作場所
フランス
所蔵美術館
    ミュシャ財団