頬に手を当てた自画像

Self Portrait With Eyelid Pulled Down

エゴン・シーレ

作品解説
エゴンシーレは同じウィーン出身の画家であり、ウィーン分離派の第一人者であったグスタフクリムトから多くの影響を受けています。この作品は1907年にグスタフクリムトに弟子入りしたエゴンシーレが、グスタフクリムトからの影響を脱却し、独自の路線を開拓し始めた頃の作品です。グスタフクリムトの装飾的で華やかな表現に対し、この自画像は暗く、どこか陰気で退廃的なムードが漂っています。エゴンシーレを語る上で彼の人格に言及せずにはいられません。精神の狂気や性的欲望、サイコパスとも言われる彼の内面がこのような作品を生み出しています。
制作年
1910年
素材/技法
グアッシュ、水彩、木炭
制作場所
オーストリア