赤い腰巻で立つ裸の男
Standing Male Nude with Red Loincloth
エゴン・シーレ
作品解説
「赤い腰巻で立つ裸の男」はエゴンシーレが1914年に製作した作品で、殺風景な背景と色味のない上半身に対し、ズボンの赤がコントラストになっています。エゴンシーレは女性のポートレートや風景画だけでなく、様々な自画像を多く残しています。エゴンシーレは自画像を描くことで自分に向けられた困難な状況を克服し、自信を取り戻そうとしていたといえます。この作品もそんな彼の自己愛を描き出しているといえます。やせ細った身体といびつな筋肉はエゴンシーレの多くの肖像画に共通しています。エゴンシーレは1907年にグスタフクリムトに弟子入りしますが、この時彼はすでにグスタフクリムトの絵画表現から抜け出し独自の作風を確立しようとしていました。
制作年
1914年
素材/技法
鉛筆、水彩、紙
制作場所
オーストリア