カフェ

Au cafe

藤田嗣治

作品解説
「カフェ」は藤田嗣治の代表作のひとつ。パリのカフェで頬杖をつく女性を描いた作品です。藤田は太平洋戦争が終って4年目の1949年に日本を離れ、その後1年ほど滞在したニューヨークでこの作品を描きました。藤田の日本脱出は、戦争中の作戦記録画制作について日本の美術界で非難が沸き上がったことなどが要因で、藤田はそのまま日本には戻らず1955年にフランス国籍を取得することとなります。1949年はこの「カフェ」を初めとする晩年の傑作を生み出す年となりましたが、女性の物憂い表情に、日本での傷心や在りし日のパリを想う藤田の心情がうかがい知れます。頬杖をつく女性の背景に描かれた看板の「マドレーヌ」の文字は、藤田の4人目のパートナーであり日本で36年に亡くなったマドレーヌ・ルクーと同じ名前。藤田の絵の特徴である独特の「乳白色の肌」、その陶器のような滑らかな質感は、この絵でも際立っています。絵に合わせて藤田が手掛けたフレームも見どころです。
制作年
1949年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
ニューヨーク
ジャンル