世界中の子と友達になれる

Becoming Friends with All the Children in the World

松井冬子

作品解説
『松井冬子』は今最も注目される日本画家のうちの一人です。幽霊画、九相図、内臓、脳、筋肉、人体、動物を題材に絹本に作品を描き、その世界観は妖艶で恐ろしく、見る者を惹きつけます。「痛み」「狂気」を絵画で追求する彼女の作品は年々国内外の注目度が上がっています。『世界中の子と友達になれる』は満開の藤の下に少女が描かれ幻想的です。遠くから眺めると美しい情景に感じられますが、枝には異様な数のスズメバチがいたり、少女の指に血が滲み表情も虚ろでおぞましさを感じます。ゆりかごも描かれていますが赤ん坊は存在しません。これは堕胎を暗示しています。タイトルは逆説的な意味を持つようにも思えますが、狂気じみた少女が『世界中の子と友達に』なろうとするという解釈もあります。
制作年
2002年
素材/技法
絹本着色、裏箔、紙
制作場所
日本
所蔵美術館
所蔵美術館
    作家蔵
ジャンル