夜盲症

Nyctalopia

松井冬子

作品解説
『夜盲症』は長い黒髪に白い経衣、足のない幽霊の女性を描いた松井冬子の代表作の一つです。鳥を掴む異様な姿はそのおぞましさを一層引き立たせています。「もう自殺しよう」「気が狂いそう」という時、たまたま身近な誰かが実際そうなってしまうのを見ると、寸前で踏みとどまることがあるが、絵画がそういう存在になる場合もある、と彼女は語っています。恐ろしさの中にも美しさを持つ松井の描く女性は、例え幽霊であってもどこか現実味もあります。「身体も感覚も私自身のものとして実感し共有できる女(雌)しか描かない」と松井は言っています。
制作年
2005年
素材/技法
絹本着色、軸
制作場所
日本
所蔵美術館
    山明光氏蔵
ジャンル