喪の寄り道

Promenade of Mourning

松井冬子

作品解説
『喪の寄り道』は2010年の松井冬子による作品です。子宮から胸元まで、自分の内臓をさらけ出す女性が横たわっておりこの構図は松井の2004年の作品『浄相の持続』に類似しています。女性の顔は地面から生える草で隠れていますがただならぬ狂気を孕んでいるような作品です。左側には幹をうねらせた木があり、ピンク色の花を咲かせていますが、それらはまるで気体のように描かれ、地面に横たわる女性の魂と呼応しているかのようです。女性は右手で黒いもやのような何かを掴んでいます。彼女が完全に死んでいるのか、まだ生きているのか、そんな不安な想像を掻き立てられる作品です。
制作年
2010年
素材/技法
絹本着色、軸
制作場所
日本
所蔵美術館
    作家蔵
ジャンル