黄色い家
The Yellow House (The Street)
フィンセント・ファン・ゴッホ
作品解説
「黄色い家」は、ゴッホが1888年からの1年を暮らした、フランスアルル地方の家を描いた作品です。彼はこの家で仲間の画家たちと共同生活を営みながら制作活動を送る壮大な計画を立てましたが、それに加わったのはポール・ゴーギャンだけでした。さらにゴーギャンが合流した1888年10月末からわずか2か月で、二人の共同生活は破綻し、ゴッホは精神を病んで1989年の5月にサン=レミの精神病院に移ることになるのです。この絵には、アルルのラマルティーヌ広場に面する黄色い家を始めとした建物群と行き交う人びとが描かれています。建物は南仏プロヴァンスの明るい日差しに輝く強烈な黄色で彩られており、ゴッホがこの時期抱いていた、アルルでの制作活動に対する夢と希望が感じられます。鮮やかで深い空の青との絶妙な対比も見事です。ゴッホの生涯を通じてその個性を最も強く反映した色彩がこの黄色であり、この「黄色い家」や「ひまわり」などアルル時代の作品には特に、それが顕著に表れています。
制作年
1888年
素材/技法
油彩
制作場所
フランス