アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 Ⅱ

Portrait of Adele Bloch-Bauer II

グスタフ・クリムト

作品解説
クリムトが生涯で唯一、二度描いた女性アデーレ・ブロッホ=バウアー。その肖像画の後から描かれたものが、この「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅱ」です。アデーレはクリムトの親友でありパトロンでもある女性で、夫のフェルナンド・ブロッホ=バウアーとともに美術を愛好し、ウィーンの芸術愛好家サロンに出入りしていました。アデーレの肖像は2枚ともブロッホ=バウアー家に飾られていましたが、第二次世界大戦中に退廃芸術としてナチス・ドイツから廃棄か売却かの命令が下って以降、所有権を巡って数奇な運命を辿ります。戦後、オーストリア政府とアメリカ在住のアデーレの姪マリア・アルトマンの間でクリムト作品の所有権争いが発生し、クリムトの絵5点がアメリカに送られることとなります。その後オークションでの競売などを経て、現在この「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅱ」は個人コレクターの所有するものとなっています。「Ⅱ」は「Ⅰ」より鑑賞の機会が限られ知名度に劣りますが、過去何度かアメリカの著名美術館に貸し出され、一般の目に触れるところとなりました。
制作年
1912年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
オーストリア
所蔵美術館
    個人蔵