シリーズ「ジオラマ」

Dioramas

杉本博司

作品解説
杉本博司が制作しているシリーズの原点とも言える作品です。この作品はアメリカ自然史博物館に展示されている古生物や古代人の生活を再現したジオラマを撮影し、あたかも現実の風景のように見せています。写真に写るさまざまな生き物の表情や、その足元に広がる草原や空といった風景は、一瞬見ただけでは本物なのか、偽物なの判断できません。それはジオラマの精密はもちろんですが、杉本博司の作品の特徴である光の加減によって絶妙なバランスを保っていることがわかります。写真は常に真実を写す、といった基本概念を覆すことで、目に見えている疑いようのない現実を揺るがす衝撃を鑑賞者に与えます。
制作年
1975~1999年
素材/技法
ゼラチン・シルバー・プリント
制作場所
アメリカ合衆国