女浪

Menami (low wave)

葛飾北斎

作品解説
「女浪(めなみ)」は86歳の北斎が小布施をおとずれたおりに描いた上町(かんまち)祭屋台の天井絵で、「男浪」と対になっている作品です。女浪の構図は「神奈川沖浪裏」とよく似ており、荒々しさの中にも構図の美しさが感じられます。この作品を制作する前の年にも北斎は小布施をおとずれており、その際に東町祭屋台の天井絵「龍図」と「鳳凰図」を描いていますが、いずれの作品も、小布施の大商人であり浮世絵師でもあった高井鴻山(たかいこうざん)の協力があったとされています。女浪と男浪の2図からなる「怒涛図」には、波の周囲に金箔の地に孔雀などの生き物と美しい花々が描かれ縁絵(ふちえ)が施されていますが、この縁絵は北斎の下絵に鴻山が彩色しています。 なお、「女浪図」の縁絵は下絵が残っており、一ヶ所だけ実物と絵柄が異なっていますが、ほぼ下絵に忠実に描かれていて、制作の様子がうかがえます。
制作年
1845年
素材/技法
祭屋台天井絵(肉筆画)
制作場所
長野県信州小布施
所蔵美術館
    信州小布施 北斎館
ジャンル