西瓜図
Watermelon
葛飾北斎
作品解説
「西瓜図」は北斎が80歳のときに描いた肉筆画で、七夕の見立絵ではないかという説もある不思議な構図の絵です。縦長の絵で、画面の下の方にはスイカが描かれ、画面上の方には桂剥きにしたスイカの皮が縄に掛けられており、スイカ自体よりこの皮が画面の大半を占めています。スイカの上には半紙がかぶせられており、その上に置かれている包丁の刃は手前に向けられ、それぞれの質感の違いを見事に表現しています。上方に描かれているスイカの皮や縄のうねりと、下方に描かれているスイカと包丁の対比が印象的で、不思議な精神性を感じさせます。
制作年
1839年
素材/技法
絹本着色
制作場所
不明