誕生
池田学
作品解説
"3年という時間をかけて制作された『誕生』は、2011年の東日本大震災を受けて描かれた作品である。|当時ウィスコンシン州・チェゼン美術館に滞在していた池田は、アメリカでこの作品を描き上げた。池田が手掛けてきた作品の中で最も大きな作品で、縦3m×横4mにもなる。|花の咲き乱れる大木の根本には波が打ち寄せ、台風や津波、地震など、起こり得る自然災害によって破壊された世界が広がり、上段に向かうにつれ世界は再建され、満開の花が描かれている。|しかし満開の花はよく見ると本物の花ではなく、プロペラやテント、ボートといったものから出来ており、この木がまだ新しい生命を宿すことができる状態ではない・再生にはまだまだたくさんの、想像以上の時間がかかる、と語りかけている。|制作期間中に子供の誕生・親友の死・利き手の負傷、という経験をした池田の、世界のどこでも起こり得る自然災害に人はどう向き合うのか、という問いと、どんなときも繰り返される生と死、再生への思いが込められた作品である。|"
制作年
2013-2016年
素材/技法
紙にペン、インク、透明水彩
制作場所
アメリカ