赤の中の青い人物像

Blue Figures in Red

イケムラレイコ

作品解説
イケムラレイコは自他を超えた記憶、そしてその深みからわき上がる存在の根源的なかたちを、少女のような、有機体のような姿であらわします。『赤の中の青い人物像』には少女が描かれていますが、彼女たちにははっきりとした表情や輪郭がみられません。その曖昧さは少女たちと背景を融合させ、現実と幻想の真ん中に存在する「ゆらぎ」を強く印象づけています。イケムラレイコは1970年代にスペインに渡り、その後スイスで現代美術家として本格的に活動を開始、1980年代からはドイツを拠点に活躍をしています。海外での活動を通し、地球上に存在する共同体にいながらも他者であり続ける自らを象徴するように、相対するものの中間に存在する揺らぎを表現し、人間の存在と多様性を根源的に問い続けています。
制作年
2007年
素材/技法
油彩、ジュート
制作場所
不明
所蔵美術館
    個人蔵
ジャンル