蝦蟇河豚相撲図

伊藤若冲

作品解説
河豚と蛙が相撲を取る、非常にユーモラスで若冲の独特さに溢れた作品です。高山寺に伝わる「鳥獣人物戯画」に見られるように、動物たちが相撲を取るという画題は日本においてポピュラーなものとも言えます。しかし河豚と蛙という組み合わせになると、他に類を見ることができません。その発想自体が極めて卓抜でユニークなものと言えるうえに、河豚と蛙の表情がまるで漫画のように可愛らしいもの。鮮やかな色彩と躍動感で知られる若冲のもうひとつの画風、温かくユーモラスで思わず笑ってしまうような味わいを顕著に表す、楽しい作品と言えるのではないでしょうか。
制作年
18世紀・江戸時代
素材/技法
一幅 紙本墨画
制作場所
日本
ジャンル