双鶴図(鶴亀図双幅)
伊藤若冲
作品解説
右幅に霊亀、左幅に二羽の鶴を描いた「鶴亀図」の一方が、この「双鶴図」です。卵のような楕円型の体から顔を覗かせる、首を竦めた鶴の体が画面一杯に描かれます。極端なデフォルメの中に的確に表現された鶴の生態に、写実を極めた若冲ならではの秀逸さが感じられる水墨画です。鶴の重なり方や脚の向きなどには「鶴図押絵貼屏風」(プライス・コレクション)や「花鳥図押絵貼屏風」(個人蔵)との類似性も指摘されています。「松樹梅花孤鶴図」に通ずる可愛らしさやおかしみも感じられますね。
制作年
江戸時代・18世紀
素材/技法
紙本墨画
制作場所
日本