種まく人

The Sower

ジャン・フランソワ・ミレー

作品解説
ミレーが夏の終わりに麦の種を蒔く農民の姿にインスピレーションを受けて描いた作品です。この作品は、新約聖書の福音書などに見られる「種をまく人のたとえ」と関連付けて解釈されます。「種をまく人のたとえ」は、心を開いて言葉を受け入れる者(良い土地)にのみ、イエスが蒔いた信仰の「種」は実を結ぶ、という教えです。イエスが希望を持って辛抱強く信仰の「種」を蒔き続けたように農民が後の芽吹きに望みをかけて麦の種を蒔く、ミレーはその両者の姿を重ね合わせてこの絵を描いたと言われています。ミレーの農民画は、同時代や後世の画家に影響を与え、たびたび模写されました。特にゴッホがこの作品に触発されて独自の色彩で再構成した「種蒔く人」は、ミレーとの主題の噛み砕き方や表現の仕方の違いにおいて興味深く、有名な作品です。
制作年
1850年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
フランス
所蔵美術館
ジャンル