刈り入れ人たちの休息(ルツとボアズ)
Harvesters Resting (Ruth and Boaz)
ジャン・フランソワ・ミレー
作品解説
1853年のサロンに出展された作品です。もともとは旧約聖書のルツ記の物語を絵にしたものでしたが、サロンに出展する際に「刈り入れ人たちの休息」とタイトルを変更しました。聖書の中の過去の話ではなく、同時代の自分たちの隣にいる農民の物語として提起したかったからです。1850年代のフランスの農村部では、自分の畑で働く人々よりも自分の利益に関心を向ける不在地主が目立っていました。画面上でルツの抱える落穂拾いのわずかな穀物の束は、後ろの穀物の山とは対照的です。ミレーはこの作品を通じ、働く人々の謙虚な生活の苦難と尊厳を尊重するよう促しているのです。この作品はサロンで二等のメダルを獲得しましたが、一部の美術批評家は「これらの貧民の姿には心を動かされない」と酷評しました。しかしミレーの粘り強い画作は、徐々にそれらの評価を覆すことになるのです。
制作年
1850年-1853年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
フランス